2016年4月9日土曜日

消費増税×税逃れ(パナマ文書)×ムヒカ

あまり政治的な話は書かないんですが、また見返せるようにメモ的に触れておきたいと思います。

この時期に、こういう問題が起きたり、問題提起がなされたりするのは偶然ではないように思います。

1.アベノミクスの失敗


【緊急和訳】アベノミクスが失敗した理由 |Japan Times(日英併記)FB版


アベノミクスが失敗した理由として、「想像力の欠如」をあげている。
また、女性の活躍を促す、としながら女性閣僚や省庁における女性管理職の割合の低さについて指摘した上で、例の「保育園落ちた。日本死ね」を引っ張りだして、「子育て支援」が急にフォーカスされたために、増税を進める理由になった、と指摘。

子育て支援のためには保育士等の待遇改善が論としては出てきて、改善のためには財源が必要でそのためには増税、という話のようです。
あり得るな、とは思います。

キーワードは「増税」

じゃ、次。

2.パナマ文書


パナマ文書、なにが問題なの?脱法ならいいんじゃない?と思ってる人へ。


パナマ文書というのは、パナマにある法律事務所モサック・フォンセカによって作成された機密文書で、2016年4月、全世界に流出した事件でもあります。

タックスヘイブンを使って世界各国の政治経済・文化・スポーツのトップクラスの人物たちが税逃れしていることが明らかになった事件ですね。

以下のリストが、今のところ明らかになっている日本の企業や日本人、日本にゆかりのある人物たちだそうです。
ファーストリテイリングと「ファストリ」が入ってたりするんで、不完全な印象は拭えませんが。

飯田亮(セコム取締役)
戸田寿一(セコム元取締役)
内藤一彦(東宣取締役会長)
内藤俊彦(東宣取締役社長)
電通
バンダイナムコ
シャープ
サンライズ
大日本印刷
大和証券
ドリームインキュベータ
ドワンゴ
ファストリ
ジャフコ
ソニー
ファーストリテイリング(ユニクロ)
やずや
みずほFG
三井住友FG
JAL
石油資源開発
丸紅
三菱商事
商船三井
日本製紙
双日
オリックス
三共
日本郵船
大宗建設
ドリテック
ジー・モード
トキワ(化粧品)
千代田リース
アーツ証券
山一ファイナンス
三共
東レ
パイオニア
ホンダ
KAORI INTERNATIONAL
KAWAGUCHI TECHNOLOGY
楽天ストラテジー
ソフトバンクグループ
SBI
セコム
有名ゲーム会社役員
元自民党議員
有名大学教授
アグネス・チャン
なんか大企業が多くてビビるんですけどね、とりあえずこれだけの企業等が、本来なら日本国に納めるべき税を、タックスヘイブンを使って逃れている、ということです。

こちら(↓)も参考に。
日本の大企業・富裕層はタックスヘイブンで世界第2位の巨額な税逃れ、庶民には消費税増税と社会保障削減

日本の大企業、世界で2番めに巨額の税逃れしているようなんですね。
55兆円、という試算もありますね。

東証に上場している上位50社のうち45社がタックスヘイブンを活用し、ケイマン諸島だけの活用に限っても、日本の大企業は55兆円で、アメリカに次いで世界第2位の規模です。(出典:http://editor.fem.jp/blog/?p=675)

ケイマン諸島に限っても、という条件付きの「55兆円」ですからね。

3.タックスヘイブン税逃れ×増税


でね、この事件を単独で見てても額も大きいし世界を股にかけた税逃れなんて話のスケールが違いすぎてよくわからない気がするんです。

でも、「1」であげたキーワードが「増税」ですね。

日本、消費税を8%にあげました。財源が必要だから、と。

で、10%に上げるべきか上げざるべきか、ということでクルーグマンとスティグリッツをわざわざ呼びつけて話し聞いて、上げない方向で、という下地を作ったら、今度は保育園落ちたムーブメントが起きて、やっぱり増税不可避?となってる、というのが現状。

で、大企業や富裕層のタックスヘイブンによる税逃れを被せてみると、彼らがまっとうに納税すれば年間でものすごい税金が入るんじゃないか?

もう少し砕いて言うと、
  • 大企業・富裕層はものすごい額の税を逃れている 
  • その額、ケイマン諸島だけで55兆円
  • 一般国民はタックスヘイブンを使った税逃れなんてできない
  • さらに消費増税がのしかかるプレッシャー
  • 消費税を1%上げると増える税収額は2兆円(http://rh-guide.com/tokusyu/syohizei_uso4.html)
  • 8%→10%のときの増収は4兆円? 
  • タックスヘイブンの55兆円の7.2%
  • 大企業・富裕層が逃れている税の穴埋めを、景気が上向かず苦しい家計に振り向ける
こういう状況であると整理できます。

なんか、消費増税の前にもっとすべきことがあるんじゃないでしょうか?

そしてこれまでは富裕層や大企業への課税を強化すると、彼らが国外へ流出するから安易にはダメだという論がありました。
しかし、今回のパナマ文書が明らかにしたのは、そう言っていた彼らは実はとっくに実質的に海外へ逃亡していた、という事実です。
ただし、彼らが物理的に日本にいることで生まれている経済効果もバカにはならないかもしれませんが。

結局、問題はどこまで人間は「お金」を求める生き物なんだろうか、ということ。

バドミントンのバカラ賭博も、スリルとともにやはり「お金」の魅力があったんでしょうか。

4.ムヒカ氏


そして、この時期、このタイミングで日本を訪れたのが元ウルグアイ大統領のムヒカ氏。

「世界で一番貧しい大統領」ムヒカ氏が来日

正直、「貧しい」という言葉で形容してる点で、あまり評価してないのが日本のマスコミなのかな、という印象を受けます。

ムヒカ氏の言葉として伝えられているもので印象的なものをリストアップ。
  • 貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ
  • 私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。
  • 若い人には恋する時間が必要。子どもが生まれれば、子どもと過ごす時間が必要。働いてできることは、請求書の金額を払うことだけ。職場と家の往復をするだけに時間を使っていると、いつの間にか老人になってしまうよ。
  • お金があまりに好きな人たちには、政治の世界から出て行ってもらう必要があるのです。彼らは政治の世界では危険です。お金が大好きな人は、ビジネスや商売のために身を捧げ、富を増やそうとするものです。しかし政治とは、すべての人の幸福を求める闘いなのです
貧乏とは、際限のない欲を持つ、満足できないこと。
日本には「足るを知る」という言葉がありますね。

そして、人間は何のために生きているのか、そして何のために働くのか。

”貧乏な人”は政治の世界から退場願うべきである、ということも言ってます。

この時期に、ムヒカ氏が来日するというタイミングを偶然と見るのか必然と見るのか。

彼の言葉を「綺麗事」と切って捨てるのか、自分の周りからでも、ローカルなところからでも一歩ずつ具体化しようと歩みを進めるのか。

自分は後者でありたいと思います。

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