2013年11月18日月曜日

地方で求められる2つの人材像とは

先日、『「人が大事」という言葉と実際』というタイトルで記事書いたんです。
この中で、
中山間地域が抱える根本的な問題は、現場レベルのプレイヤーを含め多様な資源はあるのに、それらを“つなぎ”、“調整・交渉”し、ひとつの動きとして“マネジメント”する人材がいないこと
だと指摘しました。

しかし、その後また別の場面で考えることがあり、もう一つ欠けているピースがあるなと思いました。
それは、人を惹きつけるリーダーです。

人材が慢性的に不足しがちな地方では、残った人たちが複数の役割をある種強制的に担わされている現状があります。

自治会長、交通安全委員、体協役員、行政連絡員……などなど本当にたくさんの“役”を一人が複数担うのです。
そんな彼らは、だいたい何かしらのスキルを持ったプレイヤーであることが多いです。また、何か地域のためにと考えてくれる人たちでもあります。
しかし、皆本業を持っていたり、役で忙しいので、先日のポストでそうした人たちをつなぎ、行政ともつなぎマネジメントする人材が必要だと指摘しました。

今回気づいたのは、マネジメントはあくまでもマネジメントなんです。意見調整、合意形成、ワークショップのしきりや企画書などへの落とし込みは、必要です。
しかし、根本的には、地域のために、というプレイヤーの思いを引き受ける理念的な受け皿が必要だと気づいたのです。それが、リーダーの存在。

ここで大切なことは、リーダーは何かをしなければならない、あるいは多くの雑務を抱えるリーダーではない、ということ。プレイヤーが「この人なら信用して協力しよう、ついていこう」と思える人であることが大事。
大事ではあるけど、実はここのポストにつける人もいない。

まとめると、地方には
  1. プレイヤーの思いの引き受けてになるリーダーの不在
  2. リーダー/プレイヤーの思いを形にするマネージャーの不在
この2点が大きな人的課題であると言えます。

島根県中山間地域研究センターでは、まちづくりのためには一人の突出した人間が引っ張るやり方ではなく、異なるスキルを持つ複数の人材からなるチームで推し進めていくやり方が大事だと言っています。
これは同意します。しかし、その異なるスキルの中に、「リーダー」というスキルは不可欠だと思います。ここをはき違えると、当初はマネージャーの努力で回していけても、マネージャーに求心力まで期待はできないので、数年後には瓦解する可能性がつきまといます。まれに、マネージャーとリーダーを兼ねるタイプの人がいますけど、それは本当に稀で、期待してもなかなかそうした人材は得られません。

地域の中にリーダー役もマネージャー役もいないよ、ということはあると思います。が、そこはある程度めぼしい人がいれば、その人に任せるというのもありかなと考えています。
「立場が人を作る」ということは現実として、ある話です。期待したい人なら、ポジションを提供し、失敗も成功も経験しながら、そのポジションに相応しい人になっていく。

ちなみに、自分はマネージメント部分が適していると自分では考えています。正直言って、求心力あるリーダーのタイプではありません。

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