2013年12月28日土曜日

LAMY×ジェットストリーム

下の原稿を書いていてアップするのを忘れていました。


一昨日に注文したLAMYがもう来た。はやい。

書き味はやはりジェットストリームがすばらしいと思うので、買っておいたジェットストリームのリフィルと交換してさっそく使ってます。

緑だけはジェットストリームのリフィルがないのでそのままですが、ぜんぜん書き味が違います。
本当にジェットストリームがいいです。
ただ、金属製リフィルではない通常のリフィルと比べると、印刷物に書き込みにくい感じがありました。

トナーが乗った部分に、通常のジェットストリームリフィルだと字がかけるんだけど、金属製のリフィルだと書けないもしくは非常に書きづらいという差があります。これは個体差なのか、金属製リフィルの限界なのかわかりません。

ただ、全体としてLAMYには満足していますし、ジェットストリームのリフィルにも満足です。

2013年12月25日水曜日

早起きして打ち合わせ

しばらくブログが停まっていました。

なかなかバタバタが続いていて落ち着けないのと、ネット回線が細くて更新しにくいのが理由です。


そうそう、今日は5時起きで打ち合わせに出かけましたが、年内に打ち合わせができて良かったです。
進行に気を使う案件で、年が明ければスケジュールはより一層タイトになっていくことが明白でしたので、方針と当面の作業スケジュールを明確に出来たのはよかったなと。

5時起きの影響で、風呂で寝てました。気をつけましょう。

2013年12月20日金曜日

師走の運転は気をつけましょう

12月も中盤に入り、あと2週間もせず新年を迎えますがいかがお過ごしですか。

今月に入ってからは何となく移動が増えていまして、運転時間も長くなっておりなかなか疲労がたまりやすくなっています。
それに何となく気ぜわしい感じが漂いますので、運転には十分に気をつけましょう。

先日から何度か事故している現場を見ています。。

2013年12月19日木曜日

LAMY2000を注文

amazonでLAMY2000の4色ボールペンが半額になっていたので注文してみました。

ボールペンはいろいろと使ってみた結果、自分に合っているのはジェットストリームだと確信したんですが、ジェットストリームの軸はちょっとダサいのと、飽きてしまったんです。
そこにきて、この秋ジェットストリームのリフィル(替芯)がLAMY2000にも対応する規格になったみたいで、今回安くなっていたこともあり購入してみました。

いろんなブログ見ましたけど、緑のリフィルが出るとパーフェクトだなと思いますが、まずは商品が来るのを楽しみに待ちます。

漁師とMBAを思い出す出来事があった

今日は久しぶりに前職場を訪問しました。

シゴトのことで打ち合わせ、の一歩手前くらいな感じです。

その後は、昼からまちエネ大学の第2回に出席。
とりあえず感想としては、時間設定がどうかと思う点があったことがひとつと、ワークショップでグループになった人たちの問題意識は共感できたこと。ひねくれ者な面があるので、会場が盛り上がると却って引いてみてしまう自分がいましたので、今回はグチ成分多めです。


まちエネ大学運営に対するグチとテンションあがったWS


時間設定はGoogle+でも書いたんですけど、島根鳥取両県のエネルギー政策担当者が各県の現状や取り組み状況などを説明する場面がありました。
しかし、両県担当者に与えられた持ち時間は、各3分ずつという……。そんなもん、申し訳ないけどない方がマシだと感じました。
時間短い中で焦って説明するからかえってよくわからない。配布資料は十分にある。それなら、配布資料参照でいいのでは?と思いましたね。どうせ事前に映像資料を見てきなさいというスタンスなんだから一緒でしょう。身も蓋もないことを言えば、両県担当者は3分の説明のために、わざわざ会場に来たのか?呼ばれたのか?と。それでいいのか、と。
気になったのは、山陰スクール以前に4回別のスクールでおそらく同じことをしているはずで、同じような問題があったんじゃないかと推察するんですが、改善したような形跡がなかったこと。
これは本当にびっくりしました。

正直、ワークショップまでは開始時間が遅れて、こんな時間設定での説明があって、、という状況に置かれてテンションだだ下がりでした。来なきゃよかったと思いました。
しかし、ワークショップで元気をもらいました。

売電売電というだけではない、身の丈にあった、身近なところから再エネを取り入れることで支出を抑えたり、楽しんだりすることで、究極的にはそれほどあくせく働かなくても暮らしていける社会になるといいなーという話をWSではしてました。

実はそのWSの直前にこんな小話がありました。


漁師とMBAを思い出す出来事

某離島で若者が働かず生活出来てるんだと。なぜなら、魚釣りに行って釣れれば食べるものが手に入るからだと。しかし司会の方はそれではだめだから、彼らに1時間でも自転車こいで発電してもらおう、というあくまでもサンプルとしての検討例が示されたんですね。WSに先立って「やりたいこと」を有志に書き出してもらう必要があるので、その呼び水として示されたんだと理解しています。
これは南の国の漁師とコンサルタントのコピペを思い出しました。*「漁師とMBA」で検索すればヒットします。
そのサンプルを聞いて思ったことは「働かずに食っていけるなんて良い社会じゃん」です。

働きたい人は働けばいいんです。自分もどちらかと言うと働きたい方だと思います。
でも働きたくない、休みたい人だっているし、自分も働きたくないモードになることはあります。
そんな時でも食っていける社会のほうがよほど健全だと思うんだけどなー。と思ってのワークショップでは、同グループになった人たちは割りとそんな考えに近いようでしたんで、ほっとしました。


足元は確かなものか? 不安になるんですよ

グチはこんなところにしておいて、とにかく今の社会構造に頼りきって生活することにほのかな不安を感じるので、少しでも違ったエネルギー源を見つけておいてポートフォリオのようにリスクマネジメントしていくことは大事というよりまっとうな感覚になっていくような気がしますがどうなんでしょうか。

個人的には、それはエネルギーだけじゃなくて時に極端すぎるように見える経済偏重、資本主義も同類だと感じています。効率、合理性、経済性を重視しすぎて「損して得取れ」だとかコミュニティや人間関係を時代遅れな判断基準としてオミットしてきたことにも不安を感じます。けっして人間関係の構築が得意ではないですし、しばしば自分はコミュ障では??と思うこともありますが、それでも大事だと思います。

だからソーシャル・キャピタルの研究をシゴトとは別個でやっているのかもしれません。

ああ、そうそう。まちエネ大学終了時間がおよそ30分押したので終了次第急ぎ次のシゴトに向かいまして、そちらでもやはりWS。とは言えこちらではスタッフ側です。


「ワークショップ疲れ」って起きてないかな?

最後に、一般市民のアンケート疲れ、アンケート調査への忌避感が指摘されていますが、今日ふと思いました。このまま毎度毎度地域振興のためにWSばかり用意していると、「市民のWS疲れ」が生まれるんじゃないかと。たぶん、すでに生まれていると思うんですけどね。

手を変え品を変え何とか参加したくなる空気感をつくろうと工夫しているんですけど、「またあの作業か」なんて思われたらアウトですね。
何か考えなきゃなー。

2013年12月17日火曜日

クォリティが高い地域の加工品|豆腐カツバーガー

先日、雲南市の加茂町にある直売所「加茂遊学ファーム」・「旬菜」で、とっても美味しい商品を教えてもらいました。


それがこの写真にある商品です。
商品名は「豆腐カツバーガー」で、バンズに挟まれているのが、豆腐カツです。
カツの中身は、豆腐や人参やその他野菜をミックスしたものを豚肉?の薄切りで包んで揚げてあるようです。

これ、そうとう美味しいです。
一個が300円くらいなので、マックなんかに比べれば高いと思われるかもしれませんが、モスバーガーやその他類似商品と比べるとクォリティは非常に高いです。

豆腐メインですので、ヘルシーだと思います。女性にも喜ばれるんじゃないかなと思います。
ただし、辛子が使用されているのでお子様が食される場合には注意が必要です。

2013年12月15日日曜日

地方で世界と戦う企業のリーダー育成|イワミ村田製作所の場合

島根県大田市(おおだし)で今秋に開催された「みちくさ日和」の最後のプログラム「社員食堂潜入!イワミ村田製作所」に参加したことをきっかけに、イワミ村田製作所の社内ワークショップ(WS)を見学させてもらいました。このWSは、社内のリーダー研修として開催されました。


私のシゴトは普段、中山間地域等のコミュニティやNPOとともにしているのですが、コミュニティやNPOにとってもリーダー/人材育成は重要な課題となっています。

地域活性化に関するWSは経験がありましたが、民間企業の社内向けWSに参加することは当然ですが未経験でしたので、コミュニティに視点を置いているWSとどこが共通していて、どこが異なるのかといったことに関心を持ちながら見学しました。

ある意味、初めての取材体験のような感じです。


ワークショップの概要

このWSはイワミ村田製作所のリーダー研修として開催されたものです。

参加されたリーダーはざっと見た感じで20代前半から30代を中心に40代くらいの方まで20人くらいの参加でした。また、予想していたよりも女性が多かったです。

1つのテーブルに4~5人単位で別れて4つのテーブルで構成し、ファシリテーターから示されるテーマごとに個人ワークとグループ・ワークを繰り返します。

朝から夕方まで、丸一日かけて実施する研修で、年に1回ほど開催されているようです。このリーダー研修の他、課長・係長級を対象とした研修や全従業員を対象にした研修もあるそうです。

なお、普段の職場の雰囲気、関係性をできるだけ意識しないようにファシリテーターもリーダーも私服で参加されています。



ワークショップを見学してみて

私は今回、途中から会場に入って見学しました。会場に入ってすぐは、明らかに異質な私がいることで邪魔にならないかな?と心配しましたが、ファシリテーターの方から紹介いただき自己紹介も簡単にしたので大丈夫でした。それと、拍手で迎えていただいてほっと安心しました。

リーダー研修ということなので、参加されている方はみなさんリーダーという役職に就いている方なんですが、聞けばつい先月就任された方もいれば数年のキャリアがある人もいるということでした。


見学していてまず気づくのは、リーダーになっている方々であるためかWSに対しても積極的に参加されていることでした。冷えきったWSを経験することもあるので、こうした前向きな雰囲気が作られているのはいいですね。何しろ、笑顔、笑い声が出ていて楽しそうな空間になっていました。

あとはWSを見ながら聞きながらメモしたことを箇条書き。

  • お客様の声の現場へのフィードバック
  • 上下のコミュニケーション
  • 自分でやったほうが速い病

キーワード的には、

  • 感謝
  • 協力
  • 自主的
  • 相談できる関係性
  • コミュニケーション
  • 責任感
といった言葉が意識されているように感じました。

お客様の声を現場にフィードバックすることの重要性は、直売所でも同様だなと思います。野菜を作って出荷する人は、それを買ってくれる人がどんな笑顔で買って帰るのか、またどんな期待をしているのか意識すれば次はもっと良くしよう、もっと良いものをつくろう、となります。加工品も同じく。
金とは違う部分で、やはり「感謝される」とか「喜んでもらえるよろこび」といったことはモチベーションに大きな影響を及ぼします。


“ちょうどいい”イワミ村田製作所の規模

ファシリテーターの方にお話を聞いたところ、イワミ村田製作所の従業員人数が350人くらいであるのに対して出雲村田製作所はその10倍だそうです。

そのためリーダー研修をするにしても10回位に分割してやらなければならないとのこと。それに比べれば1回の研修でリーダーを全員参加で開催できるイワミ村田製作所の規模はちょうどいいようです。

経験的にも、同じ内容を複数回、別のスタッフでやるよりも一度にやって、全員で現場の空気感と結果を共有できることは大きなメリットです。


企業とコミュニティの共通点と相違点


今回の研修を見学してみて、いくつか「企業」と「コミュニティ」とで共通している点、異なる点があると感じました。

一点目は最初に書いたように、リーダー/人材育成という点では共通していると思います。ただ、違う点もやはりありました。それは、企業の場合「リーダー」という役職に期待する能力、資質、役割がある程度明確にされていますが、コミュニティではそのような“求める人材像”が明確になっていることの方が少ない点です。

二点目は、コミュニティ内部での年齢による志向などに対する差異。高齢化するとはいえコミュニティ内部にも若手はいます。しかし、若手のアイディアとコミュニティの中心層である60代70代の人たちとはうまくつながらないことが多々あります。良くするには変えていかなければならない。いや、この方法がベストなんだ、と。そのあたりの年齢による考え方の差異についての悩みというのはあるんですね。そこを乗り越える方法として、次のコミュニケーションがあります。

三点目はコミュニケーションの重要性。上司と部下との間にたつリーダーには、それぞれに対する丁寧な報告連絡相談が求められているようでした。それも形式的なものではなく、日常的に接している部下の様子なども含めて、どこか変わったことがないか悩みがないかといったことまでです。そうした変化を丁寧に見つけ、褒めながらお互いの信頼を構築することがコミュニケーションの基盤だと思います。

それはコミュニティでも重要なことです。と言うよりも案外コミュニティではおざなりにされているように思うこともしばしばあります。昔から知った仲だから、いつも話をしているから、というのですが実際には改まって真面目な話を突っ込んでしているかというとそうでもないし、第三者的に聞くと求めているものに食い違いがあったりということはよくあります。

WSの中である方が言ってました。
現場を歩けばいいというものではない。現場の変化に気づくかどうかが大事なんだ。
と。


世界と伍する企業の底力

今回リーダー研修を見学させてもらって感じたのは、さすが世界を相手に勝負している企業だなということ。
いろいろと現状分析した話などを聞かせてもらって、まだまだ組織力などを伸ばす余地があるようです。その部分を確かなものとするために、人材像を明確にしたり、今回のような研修機会を設けたりということは、会社としての継続性、次の世代の人材確保ということを組織的に取り組んでいる証左かと思います。

WSをやった効果としては、参加者の方の声として「実はみんなが同じようなことで悩んでいることがわかってほっとした」といったことがありました。
自分だけじゃない、という部分が共有できるのはこうした研修、WSの意義のひとつですね。

また、意外と「自分の中のリーダー像」と「会社が求めるリーダー像」との間にギャップがあると感じている方が多かったこと、「リーダー像がクリアになった」という声も興味深い結果でした。

その他、リーダーの方たちが悩んでいる部分は自分自身振り返っても当てはまるなーと感じながら聞かせてもらいました。

リーダーとして参加されていた人たちをみると、それぞれキャラクターが違っていておもしろかったです。

フセンの文字が読めないように画像加工しています



終わりに

ある程度組織としての目標や戦略が定まっている企業では、それぞれのポジションに求める人材像はクリアですよね。

その点がコミュニティとは大きく異なる点かなーと感じます。

では、コミュニティやNPOで求める人材像をどこまで明確にできるかというと、現状では多くの組織で難しいのではないかと思います。自治会等は基本的に年次計画もほとんど前年と同じ、3年後5年後の将来像は持っていないところが多い。ですから、そこに向かって必要な人材というものは描きようがありません。またNPOにおいても当座の人材で回すことに精いっぱいなところが多く、やはり中長期的に計画を立ててそれに必要な人材確保/配置という考え方はできていないところが多いと思います。

ただ、NPOは中長期計画は策定すべきだと思いますし、計画を持つことで現状で抱える課題のいくつかはクリアできると直感的ですが感じています。

他方コミュニティについては難しいと思います。とくに旧来の集落、自治会といった地縁コミュニティでは難しいでしょう。

では地域のコミュニティはどうすればいいのか。それは、ある一定の「テーマ」に基づいて結成されるテーマ型コミュニティをいくつか作ること、そのコミュニティの中で計画を持つことではないかと思います。

たとえば「子育て」や「コミュニティビジネス」、「若者の力を発揮」といったテーマが考えられます。

従来の地縁コミュニティはこれまでと同じような形で運営して、それではカバーできない部分をテーマ型コミュニティで取り組み、相互にコミュニケーションを取っておくということです。

ところで、個人的にはみちくさ日和のイワミ村田製作所プログラムには、ぜひ高校などの進路担当の先生方、ちょうど進路選択を迎える時期の子どもの親御さんに参加してほしいなと思います。
会社としての哲学や人材育成に関する話を聞けるし、社食も体験できるし、労働環境も見れます。


最後に、今回快く見学させていただいたイワミ村田製作所様にはお礼申し上げます。ありがとうございました。

2013年12月8日日曜日

イワミ村田製作所の社員食堂に潜入!


村田製作所グループといえば、日本を代表する一大企業です。
そのグループを形成する会社が、島根県大田市にあります。それがイワミ村田製作所。

イワミ村田製作所、私くらいの年齢(30代前半)くらいまでだと「石見電子」と呼んでいたことを覚えている人も多いかもしれません。
そのイワミ村田製作所に「おおだまるごとみちくさ日和」のプログラムに参加して、工場見学&社員食堂に潜入してきました。


そのイワミ村田製作所、地方に立地する工場でありながら世界のコンデンサ市場のシェアの4割を占める村田製作所グループの中でもかなり重要な拠点だったのです。


工場見学ではさすがに写真撮影はNGでした。
ただ、フルオートでコントロールされている自動倉庫の見学はワクワクしました。ひたすら動くマシンを見ているだけでも飽きもしない、まさに「工場」な雰囲気です。

その後は会議室に戻って、冒頭の写真にあるムラタセイコちゃんとムラタセイサク君のデモンストレーションを見学、体験。
セイサクくんは、話を聞くとどうやら六つ子だそうで。

最後は社員食堂で、昼食をいただいて終了。

今回のみちくさ日和を通じて感じたもっとも大きなことは、イワミ村田製作所の地域に対する姿勢です。
工場長をはじめ担当の方々はみなさんが地域の人にもっと知ってもらいたい、地域と関わっていきたいと仰っていました。
こういう話を聞くと、われわれ大人も参加したいのですが、高校の進路指導の先生や実際に就職を間近に控えている若者をターゲットにした別コースがあってもいいかも、と思いますね。

何はともあれ、みちくさ日和のラストを飾るに相応しい素晴らしいプログラムでした。

2013.12.07のソラ

ハレとくもりの境

みちくさ日和 イワミ村田製作所に潜入


昨日「おおだまるごとみちくさ日和」最後のプログラムが開催されました。
それをビデオに撮ってみたので、御覧ください。

村田製作所グループのムラタセイサク君とムラタセイコちゃんも登場します。

2013年12月6日金曜日

「みちくさ日和」最後のプログラムは、イワミ村田製作所の社食潜入!

明日は「おおだまるごとみちくさ日和2013」(島根県大田市)の、最後のプログラムに参加してきます。

全部で50のプログラムが開催されてきた「みちくさ日和」ですが、オオトリを飾るのは大田市民の誰もが知っているが誰もが中のことは知らない、イワミ村田製作所への潜入プログラム。


社員食堂潜入!!イワミ村田製作所(おおだまるごとみちくさ日和)

大田市内の国道を通ると見かける「水車のある会社」。皆さん一度は思ったことがあるでしょう「あそこって何を作っている会社なんだろう?」と。決して蕎麦屋さんではありません。
実は電子部品を造っているんです。電子部品工場のものづくりの現場をご覧頂くと共に、社員がいつも食べている社員食堂をご体験ください。
自転車・一輪車ロボット ムラタセイサクくん・セイコちゃんにも逢えるよ。

・・・実におもしろそうです。







案内役として、村田製作所グループの総力を結集して制作された、「ムラタセイサク君」と「ムラタセイコちゃん」がやってくるというのも嬉しいポイントです。

プログラムの内容は、村田製作所グループのひとつであるイワミ村田製作所の工場見学をした後に、同社の社食でお昼ごはんを食べよう、というものです。

どんなワクワクが待っているのか。楽しみです!


2013年12月5日木曜日

閉鎖・撤退するガソリンスタンド →閉鎖? →経営移譲? 判断はどこで?

これまでに何度か地方や中山間地域で暮らす上でのエネルギー問題について書いてきました。

とくに、山間部でガソリンスタンドが閉鎖する問題についてここ3ヶ月くらいシゴトで関わっておりました。

具体的には、当該地域の現時点でのガソリン含めた燃料需要の推計と、住民が経営体を引き継いだと想定した時の地域内での買い支え意識の把握と経営の可能性について、チームで調査設計~分析をしてお返ししたところ。

この一連の流れは、近いうちに手法や結果をしっかりとりまとめておきましょう、ということになりました。

先行している地域では、このように閉鎖・撤退が現実化しつつあります。また数年前からすでに取り組んでいる地域もあります。
しかし、このような地域はまだ少数であって、今後数年間のうちに中山間地域を中心にドカドカっと表面化することが考えられます。

その時に、住民経営で引き継いでいくのか、地域からGSは消滅させて地域外に買いに行くのか判断に迫られます。
それはまさに、進むも退くも茨の道であると思います。

その時の判断材料に、精度の高いデータと、住民の意識把握は欠かせないのかなと思います。
先行している事例では必ずしもデータ分析をしているわけではないですが。

そのようなときの一助になれば、ということも含め年度内くらいでまとめる形になると思いますので、可能ならまとめた後こちらでも報告できればいいなと思います。

2013年12月3日火曜日

YouTubeで動画公開(第1弾)


ちょっと前にYouTubeで簡単にムービーが作れるという話を聞き、そのうち挑戦してみようかなと思いながらも1ヶ月以上が経過していました。

そんなこんなをしていると雪が降り始めて、今年もあと1ヶ月しかないという状況になり、さすがにこれ以上手を付けないのは自分的にマズイと思い、YouTubeで動画編集に挑戦してみました。

フリー(無料)の音楽データも使えて、何やら楽しそうな雰囲気に少しはなったんじゃないかと思いますがどうでしょうか。

第2弾があるかどうかわかりませんが、これだけ簡単にできるなら普段から動画をちょこちょこ撮りためておいて、そこからまたいろんな組み合わせでできそうです。

2013年12月2日月曜日

tumblrでも発信しています

1週間ほど前から、このブログの他にtumblrでも情報を発信しております。
と言ってもメインはこちらのブログで、tumblrやGoogle+はもう少し軽い発信です。

SPReD | Space for Regional Design


欲を言えば、tumblrをHPのようにいじれないかなと考えていますが、なかなか難しいです。

2013年12月1日日曜日

島根県大田市で人気の富山カフェ(とみやまカフェ) 

島根県大田市に、富山(とみやま)という地域があります。

ほ場整備が入っていない農地も多く棚田が美しい地域ですが、あまり知られていない地域でもあります。


中山間地域であり人口減少、高齢化は進んでいます。

そんな富山では3年以上、無理なく楽しく「カフェ」が継続されています。

名前は富山カフェ。年に3回ずつくらい開催されているカフェで、多くの方が楽しみにしているようです。

カフェの一番人気メニューは、牛スジカレー。玉ねぎをたっぷり使っているので、最初の口当たりは“甘い”のですが、そこから数秒遅れてスパイスの“辛い”がやってきます。
この牛スジカレーは美味しい富山の米を使い、玉ねぎも牛すじもたしか富山産。
甘い!から辛い!にふしぎに変化していくこのカレーは味わったことのないものでしたが、とても美味しいです。

そしてもう一つの目玉メニューが、大根ピザ。
富山産の大根をすりおろしたものを、記事に練り込んで焼いたものですが、これも美味しいです。

他にもコーヒーやケーキなどサイドメニューも充実していますし、同じ会場では地域で収穫された野菜が格安で販売されていたり、今日は玉ねぎが無料で配られていました。
食べ物以外にはフリーマーケットや手づくり小物などもありますし、小さな子どもさんも遊べるスペースが用意されています。

今日の富山カフェでは、LIVEがありJazzyな雰囲気が演出されていました。




そうそう、忘れていました。
このカフェ、外では愛犬と一緒に楽しめるようにテラス席もありますよ。

2013年11月26日火曜日

閉鎖・撤退が続く山間部のガソリンスタンド

中山間地域を中心に、ガソリンスタンドの閉鎖・撤退が増えつつあります。

人口減少による地域燃料市場の縮小と、高齢化によるニーズの縮小(自動車を運転しなくなるなど)で、先細ることが見えている上に、地下埋設タンクの更新などが新たな負担となっているためです。
それでも、地域からガソリンスタンドがなくなることで及ぶ影響は、高齢化が進んでいるからこそ大きいと思います。
10分、15分車で走ればガソリンスタンドはあるけど、そこに行けない人が増えてくる。さらに言えば、15分先まで走らせる燃料も、行き着いた先で買う燃料もすべてお金は地域外に流出していくことになります。

不便性も大きくなるし、経済性も外部に流出することになる。

他方、ガソリンスタンドを続けることの難しさもまたあります。

そんなことを、昨日はある中山間地域に位置する撤退が決定しているガソリンスタンドを住民で引き継ぐかどうかの検討会でお伝えしてきました。

こうした考え方のほか、アンケート調査の分析結果についてもお伝えしました。

今回のアンケート調査は、直接配布回収に歩いていただいた方のおかげできわめて高い回収率が達成できたので、現在の需要額や今後の予測についても、高い精度で報告できました。

今回の結果を踏まえて今後地元で協議されることになりますが、その結果のみならず協議の経過も詳しく知りたいところです。

2013年11月24日日曜日

出雲大社遷宮による周辺市への波及

遷宮効果、米子の皆生温泉にも波及(山陰中央新報)

出雲大社の遷宮の影響で隣の鳥取県米子市にある皆生温泉(かいけ・おんせん)宿泊者数が伸びているとのことです。

出雲大社遷宮の影響は大田市の温泉津温泉(ゆのつ・おんせん)にも波及していると聞いています。
ただ、遷宮メインで来られたお客様は泊まるだけで町中をあまり歩かずに帰られるというとてももったいないプランで動かれていると聞きました。

皆生温泉はわかりませんが、温泉津温泉は温泉街を歩くだけでも雰囲気がありますし、近くには鳴り砂・琴ヶ浜海岸や、世界遺産石見銀山などもありますので、出雲大社遷宮を機に島根にいらした方にはぜひゆっくり町中を歩く時間を取ってみていただきたいですね。

また、一方で温泉街の方でも歩いて楽しい仕掛けや取り組みを考え、実践していくことが求められます。

再エネは地域力(ソーシャル・キャピタル)を醸成する第一歩となり得る

少し前に買っていて、まだ目も通していなかった『人口減少社会という希望』(広井良典)を読み始めています。

この本の中に「5 鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想」という項目があります。
p.77で
自然エネルギー拠点の整備というテーマは、<中略>ローカルな「コミュニティ」(の再生)という視点が不可欠ではないかと思うからである。 

という記述がありました。

これは、よく話をする人との話の中でも出てくる内容なので、気になってポストしてます。
引用した文章だけだとちょっとわかりづらいでしょうか。

要するに、自然エネルギー(再エネ)の取り組みを進める上で「コミュニティの再生」という視点が不可欠だという話です。

広井の論理の流れは、【自然エネルギー(再エネ)整備に、コミュニティ再生の視点が必要】というものですが、私たちの話の流れは、【コミュニティ再生の第一歩として、再エネの取り組みは有効】というものです。

どっちがどっち、というものではないんですが、地域振興、コミュニティ再生という場面にいると、何かコミュニティがまとまる契機が必要だと感じています。
そういう意味で、小水力や自伐林家の取り組みなどはコミュニティとして取り組むいいテーマだなと考えます。

なぜなら、これまでの火力発電や原発のように自分の暮らしから遠い存在としてではなく、身の回り、半径100mからできる取り組みとなります。まさに、「自分のこと」「自分たち(コミュニティ)のこと」として考えることが求められるからです。

地域振興という枠組みの中で大きな課題は、人材(マネジメント、リーダーの不在)に加えて、そうした人たちを支え、着いていこうという意識の醸成です。

こうした意識を、近年では“地域力”と読んだり、学術的には“ソーシャル・キャピタル”というようにして、把握しようと試みられたりしています。
(ちなみに、私もソーシャル・キャピタルについて文章を書いています)

ソーシャル・キャピタル的に言えば、再エネについてコミュニティ内で語り合いビジョンを考えるプロセスが内部の結びつきを強化し、その結びつきが次のアクションへの駆動力となります。
もちろん結びつきが強くなり過ぎると、今度は“しがらみ”といった形で身動きがかえって取れない状態も生まれます。
ただ、いずれにしてもコミュニティのソーシャル・キャピタルを醸成しようという動きは求められいますし、そこに大義名分として最適なのは、これまでなら「防災」でしたし現在なら「再エネ」だなと感じています。


人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理 (朝日選書)
広井良典
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2013年11月21日木曜日

再エネを地元で優先的に利用する権利を保証した飯田市

今日は、科学技術振興機構主催のシンポジウムに参加してきました。


その中で、一番のヒットの話題はGoogle+でも書いてたんですけど、長野県飯田市の事例です。
プレゼンテーション中のメモから。

◯牧野市長(飯田市)
 再エネ導入による持続可能な地域づくり条例:再エネは誰のものか。地域住民のもの、を明確化。
  地域環境権:再エネ資源から生まれるエネルギーを市民共有の財産と考え、市民には、これを優先的に活用して地域づくりをする権利がある。
  FIT≒大店立地法の再現か?地域の資源を消費されるだけの存在になるおそれ
  地域主体の再エネ事業に対して、支援機関は専門的なアドバイスを、金融機関は優先的に投資・融資を、市は条例でバックアップを行なう
  地域再エネ資源を外部に消費されないような枠組み
  駄科コミュニティセンター:太陽光
  上村プロジェクト:入り口政策と出口政策
   入口:コミュニティ維持のための、緊急的・暫定的な行政措置、予算措置
   出口:居続けるための産業施策

まず、「再エネ導入による持続可能な地域づくり条例」というものが良かったです。

メモにも書いていますし、自分も疑問に感じていたのが、再エネ推進の大きな策としてFIT(固定価格買取制度)がスタートしています。
では、再エネの資源はどこにあるのか。
それは、主に地方、中山間地域です。

では、再エネに投資できるだけの資本力を持った事業者はどこにいるのか。
それは、およそ都市部の大資本を有する企業等です。

では、中山間地域にはそういう事業者はいないのか。
残念ながら、大資本を投入してでも再エネに取り組もう、金融機関から融資を引き出して取り組もう、という事業者はなかなかいません。

それが、メモにある大店立地法とダブってくる、という意味です。

端的に言えば、中山間地域、地方はまたも都市の大資本企業に資源を利用されるだけの存在になってしまうのではないか、という懸念です。


この飯田市の条例は、こうした懸念を払拭するものだ!と感じました。

地域で作られたエネルギーは、地域が優先的に利用する権利を条例で保証する。こんな条例を策定している地域があるとは、勉強不足でした。

飯田市についてはもっと勉強してみたいですね。

2013年11月19日火曜日

最中といえば「潮の井最中」でしょう(出雲市佐田町)

昨日、今日はまた一段と冷え込んで、雪が降ってきたりしてましたがいかがお過ごしですか。

そんな天気の悪い今日は、出雲市佐田町にちょっと行ってきました。

佐田町といえば、須佐神社ですが、その他にもイノシシやシカを使ったジビエを提供してくれる、須佐屋さん(須佐神社の目の前)があったり、八雲風穴があったりします。

ジビエは数年前に一度流行しかけたことがありましたが、その後下火になりました。しかし、昨年終わりから今年に入ったくらいから、また新聞等でも“ジビエ”の文字をよく見るようになりました。

イノシシやシカの肉を使ったカレーや、ソバ、うどんなどがありますので、ぜひ食べてみて下さい。


また、近くには「ゆかり館」という施設があり、駐車場奥にうどん屋があります。
そこの雉うどんが個人的には大好きで、佐田に行った時にはよくここを利用しています。
 温泉ももちろん最高ですけど、ゆかり館の駐車場の奥にうどん屋さんがあるんですけど、そこのうどんはとってもおいしいですよ。温泉にきた時は、ぜひうどんも食べて帰ってくださいね。平日は人が少なく、ゆったり入れますよ。
http://travel.biglobe.ne.jp/onsen/kuchikomi/a040936899.html(上記引用)


こんな佐田なんですが、子どもの頃の思い出に、佐田の和菓子屋さんの最中がありました。
佐田の近くに親戚がいた関係で、たまに行くと和菓子屋さんで最中を買ってもらう。それがけっこう嬉しかったり。

その和菓子屋さんは、馬庭開運堂というお店で、最中は「潮の井(しおのい)最中」と言います。

自分の中では、「最中といえば佐田の最中」というイメージですので、大人になった今、佐田に行くとたまに買って帰ります。

美味しいですよ。

今発見したんですが、馬庭開運堂さんでは「恋の開運もなか」も販売されているようです。

恋の開運もなか

2013年11月18日月曜日

地方で求められる2つの人材像とは

先日、『「人が大事」という言葉と実際』というタイトルで記事書いたんです。
この中で、
中山間地域が抱える根本的な問題は、現場レベルのプレイヤーを含め多様な資源はあるのに、それらを“つなぎ”、“調整・交渉”し、ひとつの動きとして“マネジメント”する人材がいないこと
だと指摘しました。

しかし、その後また別の場面で考えることがあり、もう一つ欠けているピースがあるなと思いました。
それは、人を惹きつけるリーダーです。

人材が慢性的に不足しがちな地方では、残った人たちが複数の役割をある種強制的に担わされている現状があります。

自治会長、交通安全委員、体協役員、行政連絡員……などなど本当にたくさんの“役”を一人が複数担うのです。
そんな彼らは、だいたい何かしらのスキルを持ったプレイヤーであることが多いです。また、何か地域のためにと考えてくれる人たちでもあります。
しかし、皆本業を持っていたり、役で忙しいので、先日のポストでそうした人たちをつなぎ、行政ともつなぎマネジメントする人材が必要だと指摘しました。

今回気づいたのは、マネジメントはあくまでもマネジメントなんです。意見調整、合意形成、ワークショップのしきりや企画書などへの落とし込みは、必要です。
しかし、根本的には、地域のために、というプレイヤーの思いを引き受ける理念的な受け皿が必要だと気づいたのです。それが、リーダーの存在。

ここで大切なことは、リーダーは何かをしなければならない、あるいは多くの雑務を抱えるリーダーではない、ということ。プレイヤーが「この人なら信用して協力しよう、ついていこう」と思える人であることが大事。
大事ではあるけど、実はここのポストにつける人もいない。

まとめると、地方には
  1. プレイヤーの思いの引き受けてになるリーダーの不在
  2. リーダー/プレイヤーの思いを形にするマネージャーの不在
この2点が大きな人的課題であると言えます。

島根県中山間地域研究センターでは、まちづくりのためには一人の突出した人間が引っ張るやり方ではなく、異なるスキルを持つ複数の人材からなるチームで推し進めていくやり方が大事だと言っています。
これは同意します。しかし、その異なるスキルの中に、「リーダー」というスキルは不可欠だと思います。ここをはき違えると、当初はマネージャーの努力で回していけても、マネージャーに求心力まで期待はできないので、数年後には瓦解する可能性がつきまといます。まれに、マネージャーとリーダーを兼ねるタイプの人がいますけど、それは本当に稀で、期待してもなかなかそうした人材は得られません。

地域の中にリーダー役もマネージャー役もいないよ、ということはあると思います。が、そこはある程度めぼしい人がいれば、その人に任せるというのもありかなと考えています。
「立場が人を作る」ということは現実として、ある話です。期待したい人なら、ポジションを提供し、失敗も成功も経験しながら、そのポジションに相応しい人になっていく。

ちなみに、自分はマネージメント部分が適していると自分では考えています。正直言って、求心力あるリーダーのタイプではありません。

「商店街」が自己破産って・・・

尾道中央商店街、自己破産へ(中国新聞)

尾道市中心部の尾道中央商店街振興組合(藤井央(ひろし)代表理事、82組合員)が今月末、広島地裁尾道支部に自己破産を申請することが17日、関係者へ の取材で分かった。商店街のシンボルであるコミュニティー施設「絵のまち館」と、併設の立体駐車場を建設した際の借入金の返済が困難になったため。

こういう「自己破産」てあるんですね。

記事によると負債総額は約3億4470万円。

20年前の事業で、最初の5年は返済据え置きとして、残りの15年で借入金4億3380万円を完済予定だったみたいですが、商店街会員で合意形成ができていなかったのか、組合員の大幅減を招いての返済不可となったようです。

が、この20年間で返済できたのは約8900万円ということなので、おそらく当初の事業計画が甘かったのではないかと感じます。

この事業が動いていた時代背景的を考えると、1993年に箱モノ建設に着工ということなので、計画が動き始めたのはもう少し前、2~3年前と考えると、バブル期の終わりではあるが、まだはじけていない、そんな時代です。

さらに、尾道市といえば坂の町として映画等の舞台にもなっていたので、そうした明るい材料が、目をくらませたのかもしれないですね。


少し前に読んでいた『タウンマネージャー』という本がありますが、そこにあがってくるようなマネージャー的な人がいたのかどうか。

ついつい、今の状況が良くも悪くも「続く」ものと考えがちですが、実際には大きな変動を繰り返しています。
その波を見越した、あるいは見通せなくてもバッファを持った計画が大事だなと感じます。

2013年11月17日日曜日

ちょっと前の紅葉


ちょっと前に山の中を走っている時に、ふと気になって撮影。

大田市馬路で「マジまち歩き」

馬路(まじ)にある鳴り砂で有名な琴ヶ浜海岸

島根県大田市仁摩町に、馬路と書いて「まじ」と読む地域があります。

今回はこちらで、まち歩きに参加してきました。

ちなみに、全国的には「馬路」と書くと高知県の馬路村(うまじむら)が有名です。
しかし、ここ馬路(まじ)も、全国的に有名・高名な地域です。

馬路にある全国に通じるモノとは、
  • 本因坊道策の出生地・生家
  • 世界遺産エリアに含まれる鞆ヶ浦
  • 石州左官の技術の粋・鏝絵(こてえ)
  • 鳴り砂・琴ヶ浜

です。

この4つの資源を売り出し、人を呼びこもうと馬路まちあるきボランティアガイドのグループが活動されています。
その名も「ゲナゲナ話」。ゲナゲナとは、「あげだゲナ、こげだゲナ」というところから来ていると思います(想像)。「ああらしい、こうらしい」の意。
要するに、世間ばなしですね。堅い話ではなく、 世間ばなしのように、まち歩きしながら楽しい話が聞ける、というものです。


本因坊道策

マンガの影響で、本因坊といえば本因坊秀策が有名になっているような気がしますが、この道策は「棋聖」と呼ばれ、現在でも慕われています。

生家が実はまだあり、非常に立派な家でした。


世界遺産・石見銀山の銀の積出港 鞆ヶ浦(ともがうら)

そして、石見銀山世界遺産エリアに含まれる鞆ヶ浦は、石見銀山から算出される銀の積出港として栄えた歴史があるようです。
正面の小道は、昔の山陰道らしい
現在、石見銀山の積出港として有名になっているのは、温泉津(ゆのつ)の沖泊港(おきどまり)ですが、銀山開発初期には、ここ鞆ヶ浦が利用されていたそうです。
なお、石見銀山からの距離で考えれば、沖泊よりも鞆ヶ浦の方が近いです。

では、なぜ積出港が鞆ヶ浦から沖泊に変化したのか。

その理由は、ガイドさんの説明によると2つの側面があるそうです。
  1. 小規模集落で増大する受入需要に答えられなくなった
  2. 尼子方の湯氏(ゆ・し)が現在の湯里を治めており、毛利方は馬路方面に進出できなかった
1番目の理由ですが、鞆ヶ浦は小さい集落で、最盛期でも50軒程度しか居住していなかったらしく、石見銀山の産出量が増加するにともない、積み出しの需要が増え、海運のための船頭や船員の受入ができなくなったとのこと。
他方、沖泊は温泉津に宿があるなど、受入が十分できる地域だったことが大きいようです。

2番めの理由は、戦国時代の勢力関係が影響していたということです。
対立していた尼子氏方の湯氏が治めていたため、近い鞆ヶ浦に出せず、遠い温泉津方面に積出港を求めた。
ただ、鞆ヶ浦方面だと峠を2つ越えなければいけないのに対して、沖泊方面だと1回で良かったようです。

鞆ヶ浦の集落構造:狭い谷に集住
沖泊より鞆ヶ浦の方が近い

こういった案内・説明を聞きながら歩くと、ほんとに楽しい時間になります。
ただ、「一人で歩きんさい」ということになると、魅力は伝わりにくいですね。

鞆ヶ浦の上の写真、谷の方向に対して住居が斜めに立地していますが、これも理由があり、海からの風に対して家の角をぶつけることで、風の直撃を避ける工夫だそうです。


鳴り砂 琴ヶ浜

馬路にある琴ヶ浜は、全国でも数少ない鳴り砂の海岸です。


http://instagram.com/p/gzNZypIhf0/#

このビデオを見てもらえるとわかると思いますが、キュッキュッ♪ときれいな音がします。

このきれいな音が出る理由は、汚れが少ないためと言われています。

こうしたきれいな音が保たれているのは、地域の方の自主的な清掃活動のたまものだと伺いました。
事実、歩いている時にも地域の方が砂浜にあるゴミを整理されていました。

海岸一斉清掃のような形ではなく、日常的に自主的にされていることがスゴいことですね。

砂浜の奥が馬路の集落

約1.5時間を使っての、まち歩きでしたが、すごく楽しい時間でした。
「ゲナゲナ話」、いいですよ。

2013年11月16日土曜日

本物の葛粉“西田葛”を使った牛乳葛もちが美味しい、かふぇ&れすとらん時計(とき)

今日は昼食を島根県大田市温泉津町(ゆのつ)にある「かふぇ&れすとらん時計(とき)」でいただきました。


こちらの田舎定食。
炊き込みご飯にうどん、サラダ、ひじきなどついてきます。さらに、食後にはコーヒーとデザート付き。
味付けは全体的に薄味でヘルシーな感じですが、疲れた体にはとてもやさしい味で美味しかった。


デザートは、“本物”の葛粉生産で有名な、地元温泉津町の西田地区で生産される「西田クズ」を使った、牛乳葛もち。
ちなみに、牛乳も地元の金原牧場産だそうです。

葛もちにかかっているのは、黒蜜とはったい粉。きなこじゃないところがまた良いですね。
はったい粉をいただくと、子どもの頃にお湯でといてよく食べたことを思い出します。

本当に美味しいですよ。

2013年11月14日木曜日

視察による経済効果:独自のざっくり試算と大学での研究で出た数字が一致した

私見:島根県・海士町(あまちょう)のやり方と効果

先日、上のようなタイトルでポストしたんですが、なかなかタイムリーだったようです。

島大生が海士町現地調査の報告会(山陰中央新報)

島を挙げた地域づくりで知られる離島の海士町でフィールドワーク(現地調査)を行った島根大法文学部の学生が13日、松江市西川津町の同大で報告会を開き、同町を訪れる視察者による経済効果が試算の結果、年間約2千万円に上ることなどを発表した。

紙面を読んでないので、どういう計算がされたのかはわかりませんが、僕がざっくり試算したものと同じような数字が出てきました。



まあ、だからどうした、というレベルの話題なんですけど、大学発の数値とほぼ一致したのは、ざっくり試算でも妥当だったな、と自分なりには胸張って言えるぞ、と。

2013年11月13日水曜日

「人が大事」という言葉と実際

エネルギー問題、農業問題いろんな面で、中山間地域と都市の意義が問い直される時期なのかもしれません。

今日は、某地域でエネルギーについての提案をしてきました。

詳細は書けませんが、何度も内々で集まって協議して、資料を作成してのプレゼンと提案でした。

反応は・・・うーん。今後も継続して協議が必要かな、って感じです。


まあ、こうしたことはそうそうスパっと決断してもらえることは期待していないので、粘り強くいくしかないなと思います。

ただ、中山間地域が抱える根本的な問題は、現場レベルのプレイヤーを含め多様な資源はあるのに、それらを“つなぎ”、“調整・交渉”し、ひとつの動きとして“マネジメント”する人材がいないことなんですが、そこになかなか予算が付かないのは、残念です。

人が大事、人材育成が大事と言いつつ、そこに投資しないのでは、何もしないのと変わらないんだけど。

2013年11月12日火曜日

個人事業あるある 印刷経費がバカにならない

個人事業主として起業して1年半が経つ中で気づいたこと。

会社員の頃はほとんど気にすることなく仕事していたけど、実はすごく高コストだったことがあります。

それは、印刷費。

会社員の頃だと、作成中の資料に関してほんのちょっとしたチェックをするためにも印刷していました。
モニターで確認するよりも紙の方が確認しやすいからです。


しかし、起業した後はプリンターでいちいち印刷してられないなと感じたのです。
まず、作成する資料のページ数が少なければいいけど数十ページになると、もうインクジェットでは時間はかかるしインクは使うし、でやめました。

さらに、印刷がレーザープリンタよりも劣りますよね。なので、インクジェットはほとんど使いません。

仕事上どうしても必要な場合は、コンビニのプリントサービスを使うようにしています。
とは言え、A4白黒でも20円とかかかるので、ちょっとした提案書とかでも、10ページ20ページくらいにはなるので、それを数部印刷とかしていると、やはりそれなりにかかります。
見栄え良くと思えばカラー印刷ですが、これはさらにかかりますからね。

本当に、印刷にかかる経費って重たいものがあります。

その分、ペーパーレス化が進んでいる、とも言えますが。

2013年11月11日月曜日

大田市出身の南画家・西晴雲を知っていますか

おおだまるごと みちくさ日和のプログラムの一つとして「波根まちあるき 西晴雲に出会う旅」に参加してきました。

正直、芸術はよくわからないので、大田市出身で著名な南画家がいる、という説明を聞いても「うーん・・・よくわからないな」という感じでした。
そもそも、“南画”というジャンルもよくわからないし……。

このように、当初はちょっと自分の興味からは外れていました。

しかし、上記リンク先を見てもらえばわかりますが、プログラムのイメージ写真としてあがっていた、西晴雲の絵の写真をみて、「お、こういう絵は好きだぞ」と思い、参加しました。


プログラムの概要

長福寺(波根)→波根のまち歩き(旧山陰道の一部)→波根まちづくりセンター→八幡宮→西晴雲コレクション拝見→波根駅


西晴雲
西晴雲という人物


現在の大田市久手町に明治15年(1882)に生まれ、明治35年(1902)に、彫刻師を志して奈良に赴く。左目を病んだため日本画に転向した後、上京し南画を学ぶ。
大正3年(1914)に中国に渡り、南画を学ぶ。

昭和20年(1945)に戦争終結すると、その翌年に帰国し、サントリー創業者である鳥井信治郎が後援者となり、鳥井邸内のアトリエで創作活動。

昭和37年(1962)に鳥井信治郎が逝去すると、郷里大田市に帰り長福寺で「群雀雪景図」を製作。



当日の様子

集合場所兼最初の西晴雲作品観覧場所は、波根(はね)の長福寺。

長福寺
参加者は12名ほどで、アート系プログラムにこんなに参加があるのかと驚きました。


ここ長福寺は、西晴雲が大田に帰ってきてから、滞在して襖絵を描いたりされたお寺で、作品も数多く残されています。
下の写真は、竹林の七賢を描いたものだそうです。


下の写真にあるような、色遣いがこの人の絵の良さだなと思います。 

 

これはたぶん、雀なんだろうけどけっこうシュールなポージングで気に入った(笑)




 西晴雲とは話題が逸れますが、この長福寺というお寺は戦国時代の名将・毛利元就とも縁のあるお寺で、なんと毛利元就の陣羽織が残されていました。
歴史的には、毛利元就がまだ大内氏の配下であったころに、尼子氏を攻めに山陰側を訪れ、尼子氏に敗れた際、長福寺に立ち寄ったそうです。
その時、長福寺の住職が元就を励まして休ませたことがあり、後年力を付けた元就が尼子氏を滅ぼすことになります。
そうした縁から、陣羽織も遺されていたようです。

長福寺を出た後は、今でこそ生活道路ですが、旧山陰道を歩きながら西へ向かいます。



山陰道沿いには、八幡宮があったり、旧波根小学校があったりとなかなかおもしろい町並みでした。
ちなみに、昨日ポストした「大田は信仰の聖地だった」でも紹介した喜多八幡宮も、鶴丘八幡宮もそうですが、ここの八幡宮も、本殿の屋根に普通ならあるはずの“千木(ちぎ)”がないんです。

鰹木もないんですよね。不思議です。そういう造りなのでしょうか。

その後、移動した先では個人的に西晴雲の作品をコレクションしている方に特別に見せていただきました。
絵だけでなく、書や陶器もあり、こんなにたくさん作っていたのかと驚きました。また、それを一つ一つ集められた個人収集家の方もすごいです。


作品群です。

時間は13時から16時過ぎまでと、3時間ちょっとあったのですが、あっという間でしたね。

あっという間に感じた理由のひとつは、やはり西晴雲という人の作品を見て飽きないということがあります。
作品数が多いということのほか、やはり色遣いが好きだし、なんかうまく説明できませんが、味のある絵ですね。
その分、陶器はあまり惹かれなかったですが。

もうひとつは、波根のまち歩きです。旧山陰道を歩きながら説明を聞いたり、地区として井戸を利用していた生活文化などは、好奇心を刺激されました。


やっぱり、歩いてみると町は違った見え方ができます。
それに案内人の人の語り口などが加わると、ほんとに楽しいです。

フィリピン台風災禍にあたって



猛烈な台風30号により、死者一万人を超えるのではないかという見通しも出始めています。

あまりにも大きすぎる被害に、昨日は信じられない思いでした。

信じられない気持ちとともに、Twitterに流れてきた、フィリピン赤十字の募金サイトを見て、わずかですが即募金しました。

フィリピン赤十字の募金サイト

http://ushare.redcross.org.ph/


<Campaign>のプルダウンメニューから、<Supertyphoon Yolanda>を選択するとできるようです。


募金の背景には、やはり3.11の時に日本が世界各国から支えられたという経験があったから。


あまりの被害の大きさに、悲惨な状況も生まれ始めているようです。

飲まず食わずで死者からも略奪、フィリピン台風被災地 (Yahoo!)

1万人以上が死亡した恐れが出ているフィリピンの被災地では、生き延びようとする被災者の必死の行動が新たな恐怖を生み出している。
 「私はまっとうな人間だ。だが、3日間何も食べていなければ、生き残るために恥ずべきまねもせざるを得ない」

 飲まず食わずで死者からも略奪、フィリピン台風被災地 (AFP)


外部からの支援が必要な事態です。
上記サイトからの募金には、クレジットカードが必要となりますが、 一口は安いものもあります。

なんだかよくわからないし、英語もわからないから、と投げずに、この機会に一度ネット募金やってみませんか?

2013年11月10日日曜日

島根県大田市はかつて“信仰の聖地”でした

島根県大田市(おおだし)と美郷町(みさとちょう)で開催されている「おおだまるごと みちくさ日和」に参加してきました。

11月9日には、大田市久手町(くてちょう)出身の南画家・西晴雲を訪ねて歩く波根(はね)のまち歩きに参加。
翌10日には、大田町内にある南北八幡宮を歩く、大田はかつて信仰の聖地だった、というプログラムに参加。
大田の通称・南の宮「鶴丘八幡宮」


芸術も宗教も縁遠い存在だと思っていましたが、実際にいろんな話を聞きながら歩いてみるといろんな好奇心を刺激され、自分の中にもこんなツボがあったのか、と気づきました。

西晴雲の方はまた別のポストに書くとして、今回は「大田はかつて信仰の聖地だった」について。


プログラムのコース概要

喜多八幡宮→円應寺 →城山→雪見→西行堂→相生→桜田→諏訪→鶴丘八幡宮

この間をおよそ2時間かけて歩く。


「聖地」に偽りなし

プログラムのタイトルに「信仰の聖地だった」とあり、多少は盛ってるのかな?と思いながら参加しましたが、結論からいえば“偽りなし”でした。

では、どういう事実から「聖地」と考えられているのでしょうか。

それは、神社創建の歴史と密接に結びついているようです。
この神社は、今から約800年前に創建されています。時代で言うと、鎌倉時代です。

そして、神社の名前から想像できると思いますが、その鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮から「御霊分け」されたのが、ここ大田市の鶴丘八幡宮です。
そして、この地に勧請したのが、なんと源頼朝だそうです。
鉄塔の解説表示

普段は非公開の六角堂
さらに、境内には六角堂(右写真)があり、その中に源頼朝が寄進したと言われる鉄塔があります。
今回のプログラムでは、普段公開されていないこの六角堂を開き、鉄塔を見せてもらうということが目玉でした。

この鉄塔、下の写真を見てもらうとイメージしやすいと思いますが、かなり大きなポストのような印象です。

この鉄塔には、鶴丘八幡宮が信仰の聖地だったことを示すように、全国各地から経文や経石(お経を石に刻んだもの)、貨幣などが多数出てきたそうです。

このような六角堂、経文を納めるための鉄塔は全国的にも3つくらいしかなかったそうで、こうして形として伝わっているのは、ここ鶴丘八幡宮だけだとのことでした。

どういう背景事情があって、頼朝がこの石見国に御霊分けしたのか、寄進したのかはわかりませんが、何か地政学的な理由があったのかもしれません。



六角堂の中に鎮座する鉄塔      
もしかしたら、当時は海流の関係で現在の島根県周辺が、大陸との一時的な窓口のような位置づけで、きわめて重要だったから、かもしれないという説もあるようです。




ただ、結果的にこの鶴丘八幡宮は、後に100年間ほどまさに「信仰の聖地」として、全国各地から参詣者を得たそうです。

そして、現代。

そのような全国各地からの参詣があったことを調べるために、多数の視察、調査に来られているそうです。
ちなみに、鉄塔の中にあった経文は保存の関係で県立博物館に移されているとのことです。


地名の由来

この鶴丘八幡宮の鉄塔は本当にすごいものを見せてもらった、という感じです。
その他、個人的に好奇心を刺激されたのは、地名の由来が2つほどわかったことでした。

ひとつは、雪見(ゆきみ)という地名。

何となく雅な地名ですね。子どもの頃には通学路としてよく通った地域です。

ただ、地名の由来がよくわからなかったんですね。
それが今回歩いてみてわかりました。

これもまた鎌倉時代の人物、西行法師がこの辺りを訪れた時、三瓶山を見て詠んだ歌から来ているそうです。

つまり、雪をかぶった三瓶山を見た西行法師が、
知らずにみればまるで富士山のようだが、ここは石見国、あれは三瓶山
(筆者による超訳、参考にもなりません)


もうひとつは、鶴丘八幡宮が鎮座する「諏訪」という地名。
諏訪というと、諏訪大社がある長野県ですよね。今でこそ、そう思いますが当然子どもの頃にはそんなことは思いもしませんでした。

そんな「諏訪」という地名がなぜ大田に?と思っていましたが、これも謎がとけました。

鶴丘八幡宮はずっと前に、別の神社を合祀しているそうです。その合祀された神社の祭神が建御名方命だったそうです。

そうです。これは国譲り神話に端を発するのですが、 大国主大神に国を譲るよう申し出た所、大国主大神はいいのだが、子どもたちがどう言うか、と回答しました。
そして、大国主大神の子である建御名方は、「ワタシを倒してみろ」と言い、武御雷と戦いました。建御名方も武力に自信があったようですが、武御雷の武力はそれを上回り、建御名方は敗走します。
建御名方が敗走した先こそが、諏訪地方ですね。

その建御名方を祀っていた神社があったため、この辺りの地名が「諏訪」となったそうです。

なるほどね~。

ということで、非常におもしろいプログラムでした。

最後に紹介します。

おおだまるごと みちくさ日和

2013年11月9日土曜日

私見:島根県・海士町(あまちょう)のやり方と効果

「ないものはない」離島・島根県海士町に人が集まる秘密とは? 「役場は住民総合サービス会社」という山内道雄町長の改革

写真は隣の島・島後(どうご)にある「福浦トンネル」:明治に手掘りで掘られたトンネル


こちらの記事を読みながら、「おぉ!」と気になったことがありました。

それは、2012年に海士町を訪れた視察者数。なんと年間に1,400人が、島根の離島・海士町を訪問していたらしい。


「2012年は全国の自治体などから1400人ほどの視察が来ましたが、CASシステムや島前高校を見ながら、最終的には職員の動きを見ていました。

この数字は、 木質バイオマス分野で全国的に有名な、岡山県真庭市の「バイオマスツアー」に近い数字です。バイオマスツアーは2,000人だそうです。


視察だけで2,000万円以上の効果

この1,400人をどう捉えるか。あまり好ましい効果測定ではないけど、経済効果として見てみます。
まず、視察に来た人1人あたりの費用を考えると
  • 旅費 \6,000 (概算。本土~海士町間のフェリー)
  • 宿泊費 \7,000 (概算。隠岐の場合、ほぼ日帰りはあり得ない)
  • 食事代 \4,000 (概算。1日目の昼食、夕食、2日目の昼食の計3食)

旅費は、もっとも安いフェリー往復(片道3,000円程度)で想定し、宿泊費も隠岐で平均的な7,000円程度を想定し、食事は懇親会等はないパターンで想定。

そうすると、1人あたり17,000円を隠岐関連事業者に落とすことになります。

17,000円/人×1,400人=2,380万円

となり、けっこう大きな数字です。

食事には隠岐産の食材を使われていることなどを考えれば、地域内での経済循環が起きているでしょうから、乗数効果も働くことになるのだろうと思います。

ちなみに、真庭市のバイオマスツアーは、5,000円の視察費を取っているようですが、海士町はどうなんでしょうか。


海士町のやり方への疑問

海士町はスゴいなと思いますが、それが好きかどうかというと個人的には、あまり好きではないですね。

大人もなぜか海士町に集まっている。その数、246世帯、361人(2012年度末)で、一流大学の卒業者や、一流企業でキャリアを持つ20代から40代の現役世代が続々とIターンしているのだ。
ここの話に「一流大学」や「一流企業」って必要?シンプルに「優れた人材が集まっている」でいいと思うんだけどなぁ。
こういう表現に、非常に“狙い”を感じてしまって、背中がゾクッとしてしまう。

ただ、「あまり好きじゃない」というのは、こうしてメディアに取り上げられるポイントが上手だとか、見せ方とかロジックの組み立て方が上手だったりする、ある意味で嫉妬や羨望の裏返しの部分もあるなぁと思います。


もうひとつ、高校の魅力化による学級数増もスゴい成果だと思います。

ただ、その一方で地元の子どもたちが“あぶれる”ことにならないだろうか?というところは思います。
隠岐島前高校は、海士町(中ノ島)だけじゃなく、隣の島である西ノ島町(西ノ島)や知夫村(知夫里島)などからも進学があるはずです。
それは、ある意味では競争のない世界だったかもしれませんが、近くで通えることは家計にはやさしい状況であったと思います。
しかし、島外からの「留学生」を受け入れることで、もしあぶれることになると……。

それは本末転倒ではないのだろうか。そんな風に考えます。
また、無批判に「すごい、すごい」と言うのもやはり違うと思います。

ただ、「成果」を出し続けていることは本当にすごいし、取り入れるべき考え方、姿勢は多いと思います。

2013年11月8日金曜日

地域再生のフロンティア|農文協

ここで紹介するのもどうかと思うんですが、一応宣伝しておきます。

中国地方の中山間地域にフォーカスした「地域再生」に関する本です。

帯の推薦文を書きだすと
今までの条件不利性を、これからの条件優位性へと変えていく。
過疎の「先進地」が、地域再生と日本社会転換の進路を指し示す先進地になる!
逆転の可能性への果敢な挑戦、ここに集大成!

という感じです。

減反政策の大転換、その発端となったTPP参入など、農業とくに中山間地域における農林業のあり方は揺れに揺れることでしょう。

中山間地域に不足しているのは、人材、情報、誇りなどです。
人材がいない、というのも実は各専門家はしっかりと存在しています。不足している人材は、それら専門家をつないだり、行政や関係機関と調整・連携を取ることができるマネージメント人材。

現状で厳しい状況であるからこそ、あの手この手で対策を検討し、実践しているのが中国地方だと言えます。
もちろん、際立つ成果というものはなかなか出てきませんが、本書で示されているのはある程度方向性として合意できる事例です。

全体で350ページある分厚い本ですが、時間のあるときに少しずつでも読むと面白いかもしれません。



地域再生のフロンティア: 中国山地から始まるこの国の新しいかたち (シリーズ地域の再生 15)
小田切徳美、藤山浩他
農山漁村文化協会
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2013年11月4日月曜日

そこそこ行ってみたいと思われている島根県

島根県の報道発表に「観光認知度調査(第2回)について」というものがありました。

観光認知度調査(第2回)について(島根県)


今年度2回目のインターネット調査で、対象は首都圏在住者のようです。

その中で気になった項目を見ていくと、島根県に旅行したいという「旅行意向」と実際に旅行した「旅行経験」とのギャップがひとつ。
もうひとつは、「観光地の認知度」。
世界遺産石見銀山の町並み(中央)


旅行意向と旅行経験

今回の調査では、「島根県に行ってみたいと思うか」という形で旅行意向を計測しています。
それによると、52.9%の人が「行ってみたい」と思っているようですが、実際に「島根県に行ったことがあるか」という旅行経験に関する問には29.9%の人が「YES」と回答しているようです。

およそ2割強の人が、「行ってみたいと思うが、行ったことはない」ということです。

ちなみに、同じ調査の中で「行ってみたい都道府県」についても聞いているようで、島根県は11.6%で14位だったようです。
「行ってみたい」と思うが、選択肢としては上位に食い込めていない、ということでしょうか。

どうせなら、「どのような機会・タイミングがあれば実際に行きますか」のような、2割強の人のアクションを引き出す方向性を聞いても良かったのではないかと思います。


観光地の認知度

これはもう仕方ないですよね。とりあえず引用します。

              【認知度】  【訪問経験】  【訪問意向】
    出雲大社   71.5 (72.3)  21.1(21.7)   63.2 (55.1)
    宍道湖    45.9 (46.9)  14.4(14.6)   30.5 (23.6)
    石見銀山    38.5 (39.5)  3.8( 3.4)   38.2 (34.9)
    隠岐の島   37.2 (39.4)   2.2( 2.1)   31.9 (28.1) 

ちなみに、括弧内の数値は、第1回調査の時のものだそうです。
認知度で言えば、圧倒的に「出雲大社」の地だということです。世界遺産「石見銀山」でさえ、4割に届かない認知度です。

石見、隠岐にとっては厳しい結果です。
隠岐ジオパークの象徴:乳房スギ(チチスギ)

ただ、石見銀山は認知度の低さの割に、「訪問意向」つまり「行ってみたい」と思う人の割合は他の観光地よりは高いようです。
これはやはり「世界遺産」というブランドがなせる業でしょうか。
であれば、世界ジオパークに認定された隠岐の島も、今後ジオパークおよび世界ジオパークの認知が広まれば、同じようなポジションに来ると思われます。

個人的には、戦略を各地で策定するとしたら、具体的な目標年次を、東京オリンピックが開催されることになる2020年に持っていくことが大事だと考えています。

でも、あまりその辺の具体的な話しって聞こえてこないんですよね。
2020年前後というのは放っておいても、全世界から日本の情報を得ようと、訪れようとしてくれている環境が整っているんです。

となると、 「神々の国しまね」はもちろん、世界遺産「石見銀山」も隠岐世界ジオパークも、世界に認められた価値を有する資源が島根県にはあるんです。
それも、出雲・石見・隠岐となぜか非常にバランスよく存在しているわけです。

そこを活かすためにも、今から7年後に向けた戦略を策定しないといかんのじゃないかと思うんです。

もちろん、各地で活動する事業者/NPO法人などが個々に考えて取り組んでいくことも必要です。

2013年11月3日日曜日

今の中山間地域にあるギャップ

NHKの『フェイス』って番組見てたんですけど、地域おこし協力隊が出てました。

その中の一人の方が薪ストーブを導入・普及させたいと仰ってました。
また、一台導入することで、地域の人にとっても自然エネルギーが遠いものではなく、身近なものだと知ってもらえる、とも仰ってました。

おそらく、その前提が地域おこし協力隊の人と地元の人とのギャップを端的に示しているような気がします。

今、中山間地域に住んでいる高齢の方は、確実に子どもの頃には薪で暮らしていたんです。
で、石油系燃料が浸透して、生活の利便性を向上させてきたわけです。

そんな方たちにとって、薪がいいんだ、スローライフがいいんだと言っても、それは昔の不便だった生活に戻しましょうと言っているのと同義なんですね。

個人的には薪ストーブやペレットストーブを導入してみたいと思うし、広がっていく方がいいとも思いますが、中山間地域に住み続けてきた者と都市から入ってきた者、高齢者と若者、これらの間でやはり経験のギャップがあることを理解して働きかけないといけないなと常に思ってます。

あと、別の地域おこし協力隊の方は人材の安定供給ができれば地域は回ることが見えている、と仰っていました。
その人材確保が困っているわけで、それはどうなんだろう。。。と微妙な気分になりました。
また仕事がなければ作ればいい、という考え方らしいのですが、そういう考え方でいられる人がそもそも少ないので、さらに条件は厳しいなと。

とは言え、今この時代だからこそ、これまで関心のなかった住民も目を向けてくれるかもしれない状況ではあります。

各地で、地元の人と協力隊のような外部人材とがうまく同じ方向に向かっていける連携をつくることが大事です。

協力隊の方は、“自分がしたいこと”という切り口ではなく、“地域(集落) としてこういう方向”という切り口で提案した方がいいのではないかと思います。
“自分がしたいこと”だと、「じゃあ、あんたがやればいいじゃないか」となってしまう気がするんですよね。

こういう話の出し方は難しい面がありますが、忍耐強さが必要ですね。

2013年11月1日金曜日

まちエネ大学・山陰スクール プレ講座

知り合いの方に教えてもらった「まちエネ大学」山陰スクール。

昨日はそのプレ講座がありましたので、参加してきました。
http://www.greenpower.ws/


まちエネ大学とは

まちエネ大学というのは、公式サイトから引用すると
 「まちエネ大学」は、持続可能なまちづくりの推進に向けて、再生可能エネルギーの活用による、地域での新しいビジネス創出のための人材育成事業です。
 推進組織は経済産業省資源エネルギー庁とまちエネ大学実行委員会が中心となり、地域金融機関、自治体などと協働しながら開催されます。
講座は日本全国の様々な地域で既に再生可能エネルギー事業を進めるトップランナー企業の代表者や、本分野における第一人者の弁護士の先生等、様々なエキスパートの講師陣をお招きし、再エネ事業を起こすために必要な基礎知識と議論を重ね、人や地域とのつながりを深めながら、事業開始に向けた計画を描ける力を養えます。

という事業の名称で、山陰を含めて全国5ヶ所で展開されるようです。
  • 札幌
  • 東京
  • 滋賀
  • 和歌山
  • 松江


山陰スクール

昨日開催されたプレ講座の内容は、事業の趣旨説明、映画『パワー・トゥ・ザ・ピープル』の鑑賞、ワークショップ、という流れ。


上映された映画は、初めて見たものですが、なかなかおもしろく見ました。

関連したプロジェクトとして、「エネママカフェ」や「わたしたち電力」などの小さな規模でのワークショップは、エネルギーについて知る、学ぶ、楽しむという点でいいなと思います。
地道に理解してくれる人を増やすことは大事ですね。


感想

「まちエネ大学」という名称を掲げてるので、もっと多様なエネルギーについて触れるのかなと思っていましたが、昨日のプレ時点では基本的に“電力”が中心となるような感じ。
燃料としての薪や、廃食油/BDFなど、電力ではないエネルギーについては、昨日はまったく触れられない。
その辺が今後どう予定されているのか。

あと、参加者の一人が、例えとして「新興宗教の集まりのようだ」と仰ってましたが、同じ印象を受けました。
これは悪い意味ではなくて、傍から見るとそう見える、ということを主催者や参加者が自覚しておかないといけない、という意味でそう思います。

今関わっている地域も含めて、フィードバックしていければと思います。